Book Design

「かたち・色・レイアウト: 手で学ぶデザインリテラシー」白石 学 編 武蔵野美術大学出版局 装丁/執筆 2016

10課題による4週間のデザイン入門。

武蔵野美術大学デザイン情報学科の新入生がとり組む

名物授業「デザインリテラシー」の書籍化。

 

●デザインコンセプト 

2012年より武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科で新入生を対象にした「デザインリテラシー」という授業を担当しています。表現方法と視覚の構造のしくみを「描く、塗る、切る、貼る」といったアナログ作業を通して学ぶことで得られた能力を「デザインリテラシー」と称しコンピューターによるデザインの制作が一般化している現代において、あえて手作業による演習課題に取り組むことに重点をおいた内容となっています

デザイン情報学科において名物となっているこの授業の内容を一冊の本にしました。担当主任教授の白石先生、一緒にこの授業を担当している講師の小西先生とともに「かたち」「色」「レイアウト」それぞれの執筆を担当しています。
私の担当は3章の「レイアウト」です。あわせて本書のブックデザインも担当しています。本書は初学者を対象として教科書となることも決まっていたので、
教科書らしい品格さを出したいと思いました。また常に持ち歩くことを考慮して用紙の厚さ硬さも検討し重くならないように設計しています。

紙の白地を生かし文字のみで構成されたカバージャケット。帯を取り除くと「赤」「黄」「青」に配色された「正方形」「三角」「正円」が現れます。この色の組み合わせはヨハネス・イッテン色彩論に基づき、人が通常想像するという図形と色の組み合わせになっています。またカバーの下の表紙にはグリッドが引かれおり、カバージャケットのデザインがどのような秩序の上でレイアウトされているかが解る仕組みです。本文組も基本に忠実に、視認性と可読性を重視したレイアウトにしています。

この本は2016年度より授業の教科書として使用されていますが一般書店でも販売しています。

 

【仕様】

B5判変形 120頁 無線綴じ

カバー/帯 ダイヤペーク 四六判/T 110kg

表紙 ダイヤホワイト 四六判/T 180kg

見返し 色上質 黒 四六判/T 厚口

本文 アルティマックス 四六判/T 94.5kg

 

 

「旧高田邸と国立大学町〜85年の物語〜」公式図録 国立本店 / 編集・装丁 2015

「旧高田邸と国立大学町〜85年の物語〜」公式図録
B4判 本文64頁

国立大学町誕生の頃を今に伝える文化住宅「旧高田邸」の写真を満載!知られざる文人医師、高田義一郎の業績とその人物像を探る貴重な研究資料です。

 

●デザインコンセプト 

2015年5月に解体された国立大学町では最古といえる私邸「旧高田邸」のさよならイベントの企画運営メンバーとして活動しました。
タイトル、チラシのデザイン、イベント展示のプランやディレクションなども行っています。

 

昭和モダンをコンセプトしたデザインですが懐古趣味ではなく現代のものとして昇華させ、あらゆる世代に興味を持っていただけるようにと考えています。国立の魅力を過去から掘り起こし現代につなげていくことが私のライフワークとなっていますので今回の企画はその想いが実現できる機会となりました。日々国立のことばかり考えていますので表現しきれないほどの思いを込めて制作しています。

メインビジュアルは昭和初期の国立大学町の地図に目測で制作した高田邸の立面図を重ねています。
国立の町には当時存在していた物がアイコンとして表現されています。
2006年に解体された駅舎、駅前広場の水禽舎にはペリカンと白鳥、富士見通りの入り口には孔雀小屋、その先には熊小屋と猿山。大学通りを滑走路として飛び立った複葉機。甲武鉄道の蒸気機関車。国分寺と国立を往復していた乗り合いバス、京王鉄道の予定線など、当時を偲ばせる要素をちりばめています。

そしてこの約90年前の地図がそのまま高田邸までの道案内となっているのがポイントで、国立大学町の道や区割は今も昔もほとんど変わっていないということに気づかれるのではないでしょうか?
めずらしいことかといえばそうでもないと思いますが。この特徴的な町の姿こそが国立の文化遺産であると思ってます。

そして今回発見された高田義一郎についてはこれからの国立にとって大きな財産となるはずです。大学町創生期に移り住んだ文化人、医者、当時はとても活躍した人物でした。義一郎は国立のパイオニアの1人です。

この本はクラウドファンディングによって集めらてた支援金により制作されました。

 
https://takadagiichirou.tumblr.com/


【仕様】
B5判 無線綴じ

表紙:上質紙 四六判/T 135kg 4色+銀
本文:モンテシオン 四六判/T 81.5kg 32頁4色+32頁モノクロ1色

 

 

夢隠蛇丸 佐伯俊男作品控 兎月商会 / 装丁 2010

夢隠蛇丸 佐伯俊男作品控 【愛蔵版】【普及版】
菊判(218mm×152mm)、本文160頁

風太郎忍法帖カバー絵の幻妖、最新描き下ろしを含む過去未収録102作品の妙夢、異端の画家佐伯俊男による時代ワールドを堪能あれ。

 

●デザインコンセプト 

特装版は付録として作家の手彩色による版画がつく限定本であったため、
購入者に末永愛されるよう丁寧な造本と、オブジェクトとして存在感のあるデザインを考慮し制作いたしました。
シルエット表現を用いた函のデザインは鮮やかで妖艶な内容との視覚的な対比と、謎めいたデザインで内容への期待感を煽る効果を狙ったものです。
特徴的な函の切り抜き加工は刀傷をイメージしており、モノクロの函の傷からカラーのカバー絵が最適な位置で見えるように工夫いたしました。

なお本書には同じ内容の「普及版」があります。

 

●夢隠蛇丸― 佐伯俊男作品控 ―
http://www.amazon.co.jp/dp/490314531X/ref=cm_sw_r_tw_dp_7Mhrpb1Y51N09


【仕様】
菊判(218×152)、本文160頁、上製、角背、糸かがり、
本文・扉・見返し・表紙ボールは普及版と同じ
別丁扉:トーメイ新局紙 白 四六/Y(60)
表紙:P-70 細布 No.231-BLACK
カバー:新鳥の子 うす鼠 四六/Y(110)
ケース:新鳥の子 うす鼠 四六/Y(110)
ケースボール:両面白Sボール 26号 L/T(114.5)
版画封筒:新局紙 白 四六/Y(100)

 

 

ヒタメン -三島由紀夫が女に逢う時・・・- 岩下 尚史 著 雄山閣 / 装丁・装画 2011

恋人と友人、二人の女性の貴重な証言から、もうひとつの三島由紀夫の顔が立ちのぼる。
〈ヒタメン〉とは〈直面〉と書き、能楽の舞台で、面を着けずに舞うことを指す。


●デザインコンセプト

カバーデザインにはあえて甘い雰囲気を漂わせる三島由紀夫の写真を選び、またカバーを取り除いた表紙には、証拠写真ともいえる恋人とのツーショット写真を掲載しています。
内容に添った上品さ、モダンでお洒落な佇まいを保ちつつ、書店、店頭において必要な情報が伝わるよう配慮をいたしました。

●ヒタメン  三島由紀夫が女に逢う時… 岩下 尚史 http://www.amazon.co.jp/dp/4639021976/ref=cm_sw_r_tw_dp_um-qpb1Z3W86V

【仕様】
四六判(127×188)
本文:メヌエットライトクリーム・4/6Y・67.5k
カバー/オビ: ヴァンヌーボVG(スノーホワイト)4/6Y・110k
表紙:NTラシャ(ばら)4/6Y・100k
本扉:アペリオ(スノー)4/6Y・90k
見返し:NBファイバーGA(ばら)4/6Y・110k

 

 

国立文庫 -国立ストーリィズ解説目録- 国立文庫編集室 国立本店 / 装丁 2015

A6版 128頁

企画・編集: 木村健世+国立文庫編集室

 

 

芸者論 -神々に扮することを忘れた日本人- 岩下 尚史 著 角川書店 / 装丁・装画 2006

第20回和辻哲郎文化賞
古代から今日にいたる芸者の歴史的変容の姿を解き明かし、その歴史と現状を紹介しつつ都市文化の本質を探る。魅力的な挿話による注釈とともに、実際には全く知られていない東京の芸者や花柳界を都市文化の核と位置づける画期的日本文化論。

 

●デザインコンセプト

「現代の東京を眺める芸者の後姿」。この芸者の佇まいに至るには著者のご意見、調査とデザインを繰り返し、
玄人の目からもおかしくない「芸者と着物」、「品格と美」を追求いたしました。見返しは銀座界隈の風情からイメージした柳の文様となっています。

 

 

名妓の資格  岩下 尚史 著 雄山閣 / 装丁・装画 2007

見いだされた恋  岩下 尚史 著 雄山閣 / 装丁・装画 2009

桂子と。 藤林靖晃小説集 角川書店 / 装丁・装画 2005

贖いの聖者 白倉由美 大塚英志 角川書店 / 装丁・装画 2002